退職金を大きく増やせるか?リスクのある投資

早期退職

もらった退職金を投資して、億単位にまで増やせたら最高ですよね。
リスクある投資に挑戦して、勝利を収めれば、それにこしたことはありませんが、負けたときは「すっからかん」になるので、退職金で大きな勝負に出ることはあまりお勧めしません。

それでも、あえて挑戦するのであれば

  • リスクの中身を理解する
  • 負けた時の最大損失額を想定する
  • 無茶しない

ことが大事です。
時折、リスクを知らずに大金を投資して、損失を被り、金融機関相手に訴訟や金融ADRの紛争解決を求めるニュースを耳にします。

不動産投資

不動産を購入して大家になり、部屋を人に貸せば、毎月安定した賃貸収入を得られますし、その不動産が値上がりすれば、売却益を得ることができます。

不動産投資は、住宅ローンを組んで不動産を購入して、賃貸収入からローンや修繕費などの必要経費を支払い、黒字になればいいのです。

もっとも、退職後に住宅ローンを借りることは困難です。

そのため、不動産を退職金で一括購入することになってしまいます。
50坪程度の土地に、アパート物件を建てる場合、最も安価な木造でも最低5,000万円近くかかります。もっとも、建築には、さまざまな法規制がかかる分、費用は上振れる可能性があります。
そして、ワンルームの部屋数を8つ、家賃が6万円と仮定すると、年間収入は576万円です。
単純計算で、元を取るのに10年以上かかることになります。
もし入居者がいなければ、その間は家賃収入は得られないため、元金の回収はさらに先になります。

このほか、中古の物件を安く買って、運用する方法もありますが、中古の選定には目利きが必要です。客がつかない不動産を買ってしまうと、不良資産と化してしまいます。

退職金を一括投資すること、元金回収に時間を要すること、専門性を必要とする点がリスクとなります。

毎月分配型の投資信託

毎月分配型の投資信託では、1か月ごとに決算を行い、収益等の一部を収益分配金としてもらうことができます。

収入のない年金生活者には、便利な一面があります。

ただし、分配金は、毎月の分配や分配金額が保証されているものではありません。
また、この分配金には税金がかかります。分配金は受け取ってしまうよりも、再び投資に回したほうが、複利効果で効率よく資産を増やせます。
そして、基準価額が減少した場合、分配金を支払った分だけ投資信託の元本が減ることもあります。元本が減ってしまうと、値上がりしたときの恩恵も少なくなってしまいます。

さらに、信託報酬等の手数料が高く設定されているものもあります。

最悪の場合は、高額の手数料を支払ったあげくに、預けた元金の一部から取り崩した分配金を受け取る事態になりかねません。

複雑な仕組みの投資信託や仕組み債

複雑な仕組みの投資信託」とは、オプション取引が収入源となっている投資信託や、円以外の通貨で運用する通貨選択型ファンドなどです。

また、「仕組み債」とは、文字通り、一般的な債券にはみられないような特別な「仕組み」をもつ債券です。

為替のスワップやオプションなどの「仕組み」を利用して、リスクをとる一方で高金利な商品になっています。

金融商品斡旋相談センターでのあっせん申立てのうち、もっともトラブルの多いのが、この仕組み債です。
定期預金を中途解約して、仕組み債の購入を勧められ、多額の損失が発生したという70代以上の高齢者の事例が目立ちます。高齢者には、仕組み債を売らないほうが賢明と思えるほどです。

私は、仕組み債を何度か購入したことがあります。リスクを承知の上、最悪全額損失しても構わない程度の金額に留めています。
仕組み債のリスクは、オプションによるリスクなので、リスクが現実となる可能性は低いが、損失が出る場合の額が大きいのです。儲かる確率は高い一方で、一回損をすると多額を失うのです。


また、オプションのことを理解していない人は、万が一のことを考えて、手出ししないほうがいいのかもしれません。

日経平均先物やオプション

そもそも、仕組み債でオプションについて理解ができているのであれば、日経平均先物やオプションといったレバレッジの利いた商品を取引しても、いいのでしょう。退職金を全部突っ込む勇気のある人はいないと思われますので、ほどほどにすべきです。

具体的には、日経ウィークリーミニオプションを使って、少ない証拠金で、オプション売り戦略を軸に売買すれば、勝率はあがると思います。ただし、不意の一敗で大きく損失する危険があるので、覚悟を決めて投資する必要があります。

退職金運用プラン

退職金運用プランは、定期預金と投資信託やファンドラップ(金融機関が客に代わって運用すること)などをセットにした商品です。

資産の半分を定期預金に預けて、もう半分を投資信託で運用します。

定期預金は、年率5%から7%と高い金利が提示されているため、お得感があります。
しかし、投資信託は、手数料や信託報酬が高く設定されています。このプランに入るならば、自身で手数料の低い投資信託を選んだ方がよさそうです。

外貨建て保険

外貨建て保険は、保険料の支払いや保険金の受け取りが外貨で行われる保険です。

外貨建て保険で使われている通貨は、BIS(国際決済銀行)の調査によると、2019年度の為替取引量のうち、88.3%を米ドル、32.3%をユーロ、6.8%を豪ドルが占めています。

外貨は金利が高いので、円建ての保険よりも高い利回りが期待できます。また、元本が保証されているので、上手に使うと円で運用するよりも大きく資産を増やせる可能性があります。このため、老後の資産形成に活用できる商品とみられています。

その一方、為替レートの値動き次第では外貨を円に戻したときに損をする可能性があります。

また、販売手数料が6%から8%かかります。他の投資に比べてもかなり高い水準です。
金融機関の無理な勧誘が多いため、高齢者からの国民生活センターへの苦情や相談が増え、社会問題化しています。

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