700人の早期退職
住友ファーマが、近年の業績不振を理由に、早期退職を実施します。
40歳以上、勤続5年以上の社員が対象で、700名募集するそうです。
事業構造改革に伴う早期退職者募集に関するお知らせ | 住友ファーマ株式会社 (sumitomo-pharma.co.jp)
来期も赤字予想という厳しい状況です。
不振の原因は「ラツーダ」
住友ファーマには、統合失調症の治療薬「ラツーダ」という稼ぎ頭があります。この薬は、アメリカ合衆国を中心に売り上げが高く、一時は2,000億円を超えるほどでした。
この薬の特許が切れてしまったことが、不振の最大の原因といわれています。
ここ数年、株価は大きく低迷
ラツーダの特許切れによる営業不振で、株価も大きく低迷しました。2018年には、4,135円をつけましたが、今年には最安値279円まで落ち込みました。
さすがに、今年は底打ちの局面のようで、前立腺がん治療薬「オルゴビクス」、子宮筋腫治療剤「マイフェンブリー」、過活動膀胱治療剤「ジェムテサ」などの新薬導入が株価持ち直しの材料となっています。それでも、1000円の大台には届いていません。
オルゴビクス
前立腺がんの増殖を刺激する精巣のテストステロンの分泌を抑制します。
マイフェンブリー
子宮筋腫の腫瘍発生の原因となる卵巣のエストロゲンの分泌を抑制します。
ジェムテサ
膀胱の排尿筋を弛緩させて、切迫性の尿失禁、尿意切迫感、頻尿といった症状を抑えます。
ラツーダ危機は数年前から懸念されていた
このラツーダの特許切れは、数年前から懸念されており、その時も事業縮小や早期退職の噂が社内に広がっていました。伸ばし伸ばしに対応して、ついに力尽きたというのが本音なのでしょう。
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