早期退職する人が実際に優秀か否かはわかりません。
しかし、「自分は優秀だ」と思ってやめている人が少なからずいることは、周りを見る限りは事実です。実際に見たのは、
という人ですから、やはり相当なものです。
ただし、これらの人全員が希望通りに夢を実現できたわけではありません。
「優秀」=やりたいことがはっきりしている
この例を見る限り、優秀であるとは、まず自分がやりたいことがはっきりしていて、退路を断って、夢に向かって突き進んでいける人であると思われます。
やりたいことが判然とせぬまま、半ば惰性で生きている人が大半な世の中で、明確な意思を持ち、信念に従って進んでいけることが「優秀」だとみなされるのです。
もっとも、この「優秀」な人たちも、会社に入った時点では惰性で過ごしてきたのかもしれません。仕事をしているうちに、自分の進む道はここではないと悩み始め、徐々に意思が固まっていったのでしょう。
逆境に立たされて、はじめて自分を知るのです。
若手は、自分が持つ時間を有利に使おうとする
シニア層の退職と、若手層の退職は少し状況が異なりそうです。
シニア層は、自分の才能の限界を知り、ほどほどな選択をする一方、若手層は、まだ自分の才能は未知なので、可能性を信じて、より高い場所に進もうと思っています。
早期退職でみられる光景
早期退職制度の導入に踏み切った企業内は、たいてい大混乱に陥ります。社内は疑心暗鬼に包まれます。SNS上では、匿名の暴露投稿などもしばしば見られます。
また、どんな会社でも起こるのが「優秀な人間が予期せずに辞めていく」ことです。役員候補の人ですら辞めていくこともあります。これを放置すると、ますます会社は危機的状況に陥ることでしょう。経営者にとって、早期退職は自爆行為となるリスクがあります。
経営状況が厳しい以上、金銭面での引き留めは難しいでしょう。引き止めは、難しいことと思いますが、仕方ありません。
「納得できないリストラ」なら自主的な早期退職もアリ
社内には、リストラに踏み切った会社や経営陣に対する批判や怨嗟の声が渦巻きます。
最近は業績が好調なうちに、より筋肉質な組織を作るための「攻めのリストラ」も増えていますが、このケースのように元々業績が悪化していたのなら、後手に回っていたであろう経営陣に責任の一端があることは紛れもない事実です。会社の責任を追及したくなるのは当然のことです。
ただ、その前にぜひ考えてみてもらいたいことがあります。それは、「この状況において、自分が社長でもリストラを決断しただろうか?」ということです。
もし、自分でもそうしたと考えるのなら、あなたはあくまで「与党」として、経営陣のサポートに徹するべきです。
では、もしリストラという経営陣の判断に納得がいかなかったらどうしますか。その時は覚悟を決め、自分もまた早期退職に手を挙げるという選択肢も見えてきます。つまり、自分の信念を貫く生き方のためには、会社に依存しないキャリア構築を普段から心がけておくことが重要なのです。
会社に残る者の責任
人事を決める側の本音を端的に言ってしまえば、「会社に残れるのは必要な人で、残れないのは必要ではない人」です。
「あなたは必要だ」と言われたら、誰だって嬉しいものです。ずっと会社に残れるのであれば、それもまた素晴らしい人生です。その責任をまっとうしましょう。
中間管理職が問われる「覚悟」
リストラ局面といった会社の一大事においても、事業は継続しています。
長期的な事業の成長を考えると、リストラをしつつも新規事業への投資に踏み切ったり、場合によっては中途採用を行うようなケースもあるでしょう。
一見、矛盾しているように思うかもしれませんが、リストラを「その場しのぎの固定費削減」ではなく、将来の成長へ向けた端緒という位置づけとして捉えるのであれば、成長へ向けた施策も同時に実行していかねばなりません。
むしろ、社内の批判を恐れてとりあえず現況をしのげる最低限の固定費削減だけに留めようとする会社ほど、その後、何度もリストラを繰り返すことになりがちです。
やむを得ずリストラに踏み切る企業は今後も増えてくるでしょう。しかし、それをその場しのぎに終わらせるのか、むしろ長期的・持続的に会社を発展させるための体質改善の機会にするのか、経営者の覚悟とともに、会社に残る人々がどうサポートするかが問われるのです。
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