早期退職者が受け取る給付金について

失業保険

失業等給付について

雇用保険に加入している人が、退職希望に受け取れる給付金には失業等給付があります。
厚生労働省の下記リンクのpdfに、分かりやすい説明があります。制度の概要は、これを読めばバッチリです。

https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/var/rev0/0119/0671/13syou.pdf

失業等給付は、大きく分けて
・求職者給付
・就職促進給付
・教育訓練給付
・雇用継続給付の4種類があります。

1.求職者給付

退職した後に求職活動をする人の生活を安定させて、求職活動をしやすくために行われる給付です。

2.就職促進給付

退職した人の再就職を支援するために行われる給付です。

3.教育訓練給付

厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講、終了した場合に、受講費用の1部が支給される給付です。教育訓練講座は、専門実践、教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の3種類があります。講座により受け取れる給付金額が異なりますなお、教育訓練給付金は在職中でも利用が可能です。

4.雇用継続給付

働き続ける高齢者や、育児、介護等で休業する方に対して支給される給付です。

さまざまな給付がありますが、本稿では、早期退職者が利用するであろう手当に絞って、補足解説をしたいと思います。

早期退職者が主に利用する手当

1.基本手当

雇用保険に加入している人が仕事を辞めた後、失業中に受け取ることのできる手当です。
いわゆる「失業保険」と呼ばれているものです。
受け取ることのできる金額は、離職前6か月の賃金を平均した日額の45%から80%です。といわれても、具体的な金額が大切ですので、金額算出の表を抜き出しました。

たとえば、50歳の人が受け取れる基本手当の下限額は1,976円、上限額は8,205円です。
この金額と給付日数を掛け合わせた額を、実際に受け取ることができるのです。

受給の手続きは、ハローワーク(公共職業安定所)で行います。
次の仕事を探している方が受け取ることのできる手当なので、求職活動をする必要があります。

実際には、月に2回、以下の活動のいずれかをしなければなりません。

  • 求人への応募
  • ハローワーク等が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等
  • 許可・届出のある民間事業者(民間職業紹介事業者、労働派遣事業者)が行う職業相談、職業紹介、各種講習・セミナーの受講等)
  • 公的機関(地方自治体、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構、求人情報提供会社、新聞社等)が行う職業相談、各種講習・セミナー、個別相談が出来る企業説明会等の受講、参加等
  • 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験等

このうち、もっとも多いのが、ハローワークに直接出向くことだと思います。
ハローワークに出向いた場合は、担当官と面談して、求職活動の現況などを相談しなければなりません。
相談後に、担当官が書類に印を押してもらって、はじめて活動実績として認められます。
単に、ハローワークに行っただけでは認められないので注意してください。
もっとも、その他の利用については、単に自分で報告をすればよく、担当官の承認などは必要ありません。
ですから、ハローワークに行かない人は、求職活動として認められる活動であることを確認してから、都度報告すればよいと思います。

失業手当を受け取るには、一般離職者(自己都合)の場合、退職前2年間に雇用保険の加入期間(被保険者期間)が12か月以上あることが必要です。
これに対して、特定受給資格者(会社都合)や特定理由離職者(正当な理由のある退職)の場合は、退職前1年間に雇用保険の加入期間が6か月以上あれば失業手当が受け取れます。
つまり、自己都合よりも、会社都合や正当な理由での退職の方が手厚い補償を受けられる上、2~3か月の給付制限期間もない分、手当を早く受け取ることができます。

なお、基本手当が受け取れるのは、64歳までです。
65歳以降は、基本手当の代わりに高年齢求職者給付金を受け取れます。高年齢求職者給付金では、基本手当の最大50日分が一時金で受け取れます。

2.技能習得手当

技能習得手当は、公共職業訓練の受講者が受け取ることのできる日当です。
公共職業訓練は、ハローワークに通いながら、就職に必要な技能や知識を身に付けられる制度です。
公共職業訓練を受講すると、技能習得手当として「受講手当」と交通費にあたる「通所手当」を受け取ることができます。
「受講手当」は日額500円(上限20,000円)、「通所手当」は月額最高22,100円です。
これらは、基本手当とは別に受け取ることができます。

3.傷病手当

傷病手当は、退職した後に病気やけがをして15日以上就職できない場合、基本手当の代わりに支給される手当です。傷病手当の日額は、基本手当の日額と同じです。

4.再就職手当

再就職手当は、基本手当を受給している人が就職したときに支給される手当です。
基本手当を受給している間に再就職すると、基本手当の給付は終了となります。

基本手当の支給残日数が

  • 所定給付日数の3分の1以上ある場合は、基本手当日額の60%
  • 所定給付日数の3分の2以上ある場合は、基本手当日額の70%
    の金額を受け取ることができます。

早く再就職するほど多く受け取ることができます。

5.就業促進定着手当

再就職手当の支給を受けた人が、引き続きその再就職先に6か月以上雇用され、かつ賃金が退職前の賃金より低い場合に受けることのできる手当です。
再就職手当を支給され、6か月以上雇用される人で、再就職後6か月間の1日分の賃金が退職前より低い場合に受け取れます。基本手当日当額の40% (再就職手当の給付率が70%の場合は30%)にあたる金額を、基本手当の残支給残日数分受け取ることができます。

6.高年齢雇用継続基本給付金

退職後に失業保険による基本手当や再就職手当などを受け取らず、60歳到達後も継続して同じ会社で雇用される人が対象です。いったん退職しても、失業保険を受け取らずに再就職すれば申請が可能であり、最大で5年間受給することができます。

支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が

  • 60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合は、各月の賃金の15%相当額
  • 60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合は、その低下率に応じて、各月の賃金の15%相当額未満の額

となります。

各月の賃金が370,452円を超える場合は支給されません。
(この額は毎年8月1日に変更されます。)

例えば、高年齢雇用継続基本給付金について、60歳時点の賃金が月額30万円であった場合、60歳以後の各月の賃金が18万円に低下したときには、60%に低下したことになりますので、1か月当たりの賃金18万円の15%に相当する額の2万7千円が支給されます。

支給対象期間は、60歳に達した月から65歳に達する月までです。

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