稼ぎは「ゼロ」
予想していた展開ではありますが、今のところ、仕事を取れる気配はありません。
勤め人時代に、行政書士に関わる仕事をしてきませんでしたから、特段のコネがあるわけではありません。それでも、何となく、つながりがありそうな「ドローン」や「駐車許可」などについて、いくつかあたりをかけてみましたが、仕事につながるきっかけは取れませんでした。
「駐車許可」は車の利用頻度や台数が多いので、一件でもひっかかればと思っていましたが、そうは問屋が卸してくれません。一方、「ドローン」については、都市部は飛行許可が厳しく、そもそも飛んでいるのを見たことがないので、需要は多くないと思っていました。
士業の厳しさ
行政書士にかかわらず、ゼロから士業を始めるのは難しいことだと思います。
取得難易度が高い弁護士や司法書士などを始めても、すぐに仕事を取れるというわけではありません。行政書士より参入障壁が高い分、同業者同士の仕事の取り合いは少ないでしょうが、会費や事務所経費などのランニングコストを差し引くと、儲かっているのかは何ともわかりません。
近所に司法書士事務所が3つあるが、どこも客がいるのをみたことがない
また、行政書士には、弁護士、司法書士、税理士などの「ダブルライセンス」の人がいますが、果たしてペイできているのか、気になるところです。
書士会のフォロー
一方、所属の行政書士会は、都度業務研修などを開催しています。
仕事を取るには、業務知識と仕事を取るコネの2つが必要ですが、もう一方の仕事を取るコネについては、特にフォローはありません。
そこから先は個々の責任…ということでしょうが、あまりに仕事が取れないようだと、「行政書士は儲からない」「すぐ廃業する」という悪評がたちますから、放置というのも正直どうかと思います。
仕事はすぐに始められない
入管業務や自動車業務などは、行政書士登録したからといって、すぐに業務を開始できるわけではありません。また、研修を終え、登録が済んでから、仕事の受注のスタートラインに立てるのですから、登録して即座に業務を始めることはできないようになっているのです。
入管業務
国際業務をある程度専門に行っている行政書士は、「届出済証明書」というピンクのカードを所有しています。(地域によって、色が違うらしい)入管関係の講習会をきちんと受講し、入管法施行規則の規定に基づく申請取次者として、行政書士会に届出を済ませている会員のみが所有しているものです。
この「在留資格」関係の手続を行うには、行政書士登録後に次のプロセスを踏む必要があります。
参加する「行政書士申請取次事務研修会」を検討する
例年の会場は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・神戸・福岡・那覇の全国8都市です。また、東京と大阪で新規の取得者向けに年2回、その他の都市では年1回程度の開催となっています。そのため、行政書士登録をしてすぐ「在留資格」関係の業務(取次業務:外国の方の代わりに入国管理局に出向いて申請をしてあげる仕事のこと)ができるとは限らないです。中には、直近で開催される遠方の都市に出向いて受講する方もいるそうです。
申込書に必要事項を記載してFAX
行政書士に登録すると、日本行政書士会連合会(各都道府県の行政書士会が集まった組織)から、「日本行政」という月刊誌(会報)が郵送されてきます。そこに、定期的に「行政書士申請取次事務研修会の御案内」が掲載されています。このページをコピーして、必要事項を記入しFAX送信します。
受講料の振込
通常は2営業日以内に、受講料振込方法を貼付したFAXが返信されてきます。受講料を振り込みます。受講料は30,000円です。
受講票の受取・受講までの準備
受講料の入金確認後、受付係から受講票がFAX送信されてきますので、これを印刷して、研修会の受講当日に持っていきます。
受講・効果測定・修了証の受領
講習は、丸一日を要します。
「在留資格」に関する手続を行う上で重要な入管法(出入国管理及び難民認定法)の条文をポイントごとに学ぶことはもちろん、行政書士としての心得も改めてきちんと確認します。そして、出入国在留管理局の担当者から、務上の留意点等もじっくり学びます。
当日中に「効果測定」があり、ここで合格ラインに到達すると、「事務研修会修了証書」(有効期間1年)が交付されます。
効果測定は、4択のマークシート方式の試験で、研修会の最後に実施されます。入管法の基本知識が10問出題されます。事前に、日本行政書士会連合会中央研修所研修サイト(行政書士登録者専用サイト)にある、「申請取次研修会効果測定用設問集の解説」の講座を受講すれば、効果測定試験対策は十分です。
所属単位会での手続
所属している行政書士会に、「申請取次申出書」や「誓約書」などを提出します。
その後、「ピンクカード(届出済証明書)」の交付準備がなされます。なお、その間に「交付時研修」を受講しなければならない単位会もあります。
なお、東京都行政書士会は、交付時研修がありません。ピンクカードの発行方法につきましては、各所属単位会に確認する必要があります。
「ピンクカード(届出済証明書)」の受領
研修を修了すると、ようやく「ピンクカード(届出済証明書)」を取得することができます。このカードを入管で提示することによって、はじめて「外国の方本人に代わって申請すること」(=申請取次)ができるようになります。
このピンクカードの有効期間は3年間です。引き続き申請取次ができるようにするためには、ピンクカードの有効期間が過ぎる前に更新する必要があります(更新の場合は、行政書士申請取次「実務」研修会を受講することになります)。
自動車業務
自動車業務では、出張封印丁種会員登録をしないといけません。
本来、新しいナンバープレートを車につける際には、自動車を運輸支局や自動車検査登録事務所に持ち込まなければいけません。そのデメリットは、時間もリスクも伴うものです。運輸支局の窓口が開いているのは、平日の日中のみです。昼休み中は対応してくれません。
そこで、車を運輸支局に持ち込むのではなく、車を駐車しているところに行政書士が封印とナンバーを持って取り付けに行くことができる制度ができたのです。これを出張封印といいます。丁種(ていしゅ)封印とも言われます。甲乙丙は何ぞやと思われる方もいるので、参考まで以下挙げておきます。
甲種 | 自動車登録番号標交付代行者(ナンバーセンター) |
乙種 | 型式指定自動車の販売を業とする者(ディーラー) |
丙種 | 日本中古車自動車販売協会連合会の支部 |
丁種 | 行政書士会 |
行政書士になったら誰でもできるわけではなく、研修と認定試験を受けて、丁種会員になる必要があります。この機会が1年に2回あります。言い換えますと、その機会がくるまで、自動車の登録業務は行えないということです。
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