早期退職して狩猟を始める

早期退職

野生回帰は本能である

サラリーマンとして生きる人生に飽きてしまい、都会を離れて、景色のいい地方で、他人と交わることなく過ごしたいという人がいます。人と接することなく、余計な感情に振り回されず、自分のやりたいように生きていく人生に憧れることは、余計なストレスを受け続けてきた反動でもあります。
現代の社会は、複雑で高度化されており、最先端の知識に追い付くことは正直言って大変です。そのような大変さから逃れて、晴耕雨読の単純な人生を送ってみたくなる気持ちになるものです。

狩猟への憧れと現実

自然回帰の生活を志向する場合は、以下の選択肢があります。

  • 農家になる
  • 漁師になる
  • 野山で狩猟する

いざ始めようとすると、費用や手続きが大変ですが、安定した収入と費用の兼ね合いから、農業を選択するのが、もっとも一般的でしょう。

漁師は、具体的な金額はわかりませんが、船舶免許の取得、漁船および関連グッズの調達などに高額の費用がかかりそうな印象で、素人が飛び込むにはハードルが高そうです。
野山での狩猟は、住み込む住居の確保、免許の取得、狩猟道具の費用などが必要です。もっとも費用面では安上がりかもしれませんが、いざやってみようと決心するには、正直なかなか至らないものです。

ここでは、狩猟に絞って消極的な要素を考えてみます。

収入の不安

何といっても、一番気がかりなのは収入が安定しない点です。自分で育てるのではなく、自然に寄ってきた生き物を獲るだけなので、収穫はムラがあります。

家族の反対

これまでの生活を捨てて、田舎に籠ることになるので、大きく人生が変わることになります。一緒に暮らしている家族がいる場合、賛同をもらうのは至難の業でしょう。

衛生安全面のリスク

野生の鳥獣を捕獲する際、イノシシの突進やシカの角などでケガをする危険があります。また、捕獲した生き物に付着しているマダニや寄生虫などの被害を受けるおそれがあります。

狩猟に転職したケース

そんなリスキーな狩猟生活への転身を現実にやってしまった方がいました。黒田未来雄さんという方です。

獲る 食べる 生きる | 狩猟と先住民から学ぶ“いのち”のこと
「食べる」とは? 「生きる」とは? 「いのち」とは?身近な食材、肉。しかしどれだけの人が、その肉が生きていたことをリアルに感じているでしょうか。根源的なテーマを、狩猟の実体験や、ネイティブ・アメリカンの知恵に基き、お伝えしたいと思います。

黒田さんは、大学卒業後、いったん三菱商事に入社しますが、生き物の番組制作を志したのか、NHKに転職し、主に科学環境番組部で番組制作の仕事を続けてきました。

江戸太郎
江戸太郎

天下の三菱商事を辞めてしまうこともワイルドだ…

NHKで早期退職募集があったときに、満を持して応募し、北海道で漁師としての生活を始めます。そして、これまで培ってきた知見をもとに、国内外で行ったハンティングの模様をテレビ番組や書籍にまとめるという、実にワイルドな人生を歩んでいます。

早期退職した人のその後を追っていますが、今のところ黒田さんが一番ワイルドです。

私は、実は黒田さんの名前を昔から知っていました。(逆に、むこうは私のことをおそらく知らないと思います)
もっとも知っていたのは、「さわやか自然百景」など、おとなしい番組の制作担当者だったという程度で、ハンティングに情熱を捧げていたことは、初めて知りました。

江戸太郎
江戸太郎

ヘラジカを捕まえた様を見たときは、たまげたね…

自分のやりたいことを素直にやることには、大きな勇気がいることです。そんなひたむきさには、大いに学ぶところがあります。

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